自転車のチェーンが切れるとどうなるか、知っているか?
前回の記事では、チェーンの洗浄と注油について語った。
だが、どんなにこまめにメンテナンスをしていても、チェーンは金属部品だ。乗っていれば必ず摩耗し、伸びていく。
「チェーンが伸びる?鉄が伸びるわけないだろ?」
そう思うかもしれないが、厳密には「伸びる」のではなく、チェーンを構成しているピンとローラーが摩耗して削れ、コマとコマの間の隙間が広がることで、全体として長くなってしまうのだ。
伸びたチェーンを放置していると、どうなるか。
ギア(スプロケット)の歯と噛み合わなくなり、「ガチャン!ガチャン!」と歯飛びを起こすようになったり、ちょっとした振動でチェーンが外れやすくなる。
そして最悪の場合、走行中にチェーンがブチッと切れる。
チェーンが切れるタイミングは、ほぼ決まっている。
「走り出しの数漕ぎ目」、つまり一番ペダルに強い力がかかった瞬間だ。
俺は何度も一般車(ママチャリやシティサイクル)でチェーンを切った経験がある。
踏み出しの瞬間、いきなりチェーンが切れてペダルの抵抗がゼロになる。
するとどうなるか?
勢い余ってペダルから足が外れ、車体に膝かスネを思い切りぶつけることになる。
これが半端なく痛いんだ!涙が出るほど痛い。
さらに、それが登り坂だったり立ち漕ぎ(ダンシング)をしている最中だったら、急にペダルが空回りすることでバランスを崩し、ハンドルが持っていかれてそのまま落車する。
車道でこんなことになれば、後ろから来た車に轢かれる危険すらある。
伸びたチェーンを放置するのは、乗っていて不快だし何ひとつ良いことは無いぞ!
深夜40kmのケンケン地獄:俺の悲惨な実体験
チェーンが切れた時の絶望感を、俺の実体験から語らせてくれ。
ある深夜、多摩川から相模原までの約40kmを自転車で帰っている途中だった。
突然「ビシッ!」という音と共にチェーンが切れ、ペダルが空回りした。
幸い落車は免れたが、チェーンはだらりと垂れ下がり、完全に走行不能になった。
ネットのガセ情報で「ストッキングで繋げば走れる」なんていうのを読んだことがあって、ストッキングの切ったものを持ち歩いていたので試してみたが、あんなものは大嘘だ。
ギアにストッキングの結び目が絡んで大変なことになってしまった(笑えなかった)。
俺は万が一に備えて、予備のチェーンのコマ(ミッシングリンク等)も持っていた。
だが、肝心の「チェーンカッター」を家に忘れていたのだ。
チェーンカッターがなければ、切れたチェーンのピンを抜いて繋ぎ直すことは絶対に不可能だ。
結果どうなったか。
深夜の暗い道を、相模原まで40km、ケンケンしながら自転車を押して帰る羽目になった。
平坦な道はずっとケンケンしなければならないので、地獄のような疲労だった。
やってみるとわかるが、こっち側の足腰が疲れたからといって、逆側ではできないんだよ。
苦肉の策で、あえてアップダウンの多い道を選び、登りは押して歩き、下りはサドルに跨って惰性で進む、という方法でなんとか帰り着いた時には、もう朝になっていた。
お前たちには、こんな地獄を味わってほしくない。
だからこそ、チェーンの寿命を見極め、適切なタイミングで交換することが必須なのだ。
チェーン交換を自転車屋に頼むといくらかかる?
「じゃあ、チェーンが切れる前に自転車屋で交換してもらおう」
そう思ったお前、ちょっと待て。
自転車屋(例えばサイクルベースあさひ等)でチェーン交換を依頼すると、いくらかかるか知っているか?
部品代(チェーン本体)に加えて、工賃として2,000円〜3,000円程度を取られる。
合計で4,000円〜5,000円の出費になる。
たかがチェーン一本の交換に、毎回5,000円も払うのか?
俺に言わせれば、それは金の無駄遣いだ。
チェーン交換なんて、専用の工具さえあれば誰でも自分でできる。
自分で交換するために必要な「三種の神器」
自転車屋に払う工賃(約3,000円)があれば、これから紹介する工具と新しいチェーンが買えてお釣りがくる。
一度工具を買ってしまえば、次からの交換はチェーン代(1,500円〜2,000円程度)だけで済む。
自分でやらない理由がないだろう。
チェーン交換を自分でやるために必要な「三種の神器」を紹介する。
1. チェーンチェッカー(伸びを測る定規)
チェーンが伸びているかどうかは、見た目では絶対にわからない。
「チェーンチェッカー」という専用の定規を使って測るのだ。
チェーンは「伸び」で悲鳴を上げているんだ、これでチェーンの声を聞いてやろう!!
使い方は簡単だ。チェーンの上に乗せるだけ。
チェッカーがチェーンの隙間にスポッと入り込んでしまったら、それは「寿命」のサインだ。すぐに交換しなければならない。
入り込まなければ、まだ使えるということだ。
2. チェーンカッター(ピンを抜く・入れる工具)
俺が深夜に忘れて地獄を見た、あの工具だ。
古いチェーンを切る(ピンを抜く)時と、新しいチェーンの長さを調整する時に絶対に必要になる。
これがないと何も始まらない。
使いやすさで差をつける、この形状のものが力要らずで女性でも使いやすいぞ!
3. 新しいチェーン本体
チェーンを買う時は、「自分の自転車の変速段数」に合ったものを選ぶ必要がある。
現在販売されている一般車の主流は、変速機なしの「シングルギア」か、シマノの「外装6段変速」だ。
内装3段変速は電動アシスト自転車以外ではほとんど見かけなくなった。
- 変速なし(シングルギア)用
- 外装6段〜8段変速用
- 外装9段変速用…
というように、段数によってチェーンの幅が違うからだ。間違えて買うとギアに噛み合わないぞ。
変速なし(シングルギア)用は、チェーンと言えば、誰もが知ってるKMCだ!
一般車の外装変速機はほぼシマノ!外装6,7,8段用は信頼のシマノで決まり!!
チェーン交換の手順(超基本編)
ここでは、現在主流の「シングルギア」と「外装6段変速」の自転車を想定した、基本的な交換手順を解説する。
- 古いチェーンを切る
チェーンカッターを使って、古いチェーンのピンを押し出し、チェーンを切断して外す。 - 新しいチェーンの長さを決める
新しいチェーンは長めに作られているので、古いチェーンと並べて同じ長さ(コマ数)になるように、チェーンカッターで余分な部分を切断する。(古いチェーンは伸びており、並べるとズレるので、実際にコマ数を数えて同じにするのがベストだ!) - 新しいチェーンを自転車に通す
前後のギア(スプロケットとチェーンリング)にチェーンを正しく通す。外装変速機の場合は、プーリー(小さな歯車)の通し方を間違えないように注意しろ。(作業前に写真を撮っておくと良いぞ) - チェーンを繋ぐ
付属の「コネクティングピン」をチェーンカッターで押し込んで繋ぐか、最近主流の「ミッシングリンク」という手でパチンと嵌められる便利なパーツを使って繋ぐ。
文章で書くと難しそうに見えるが、YouTubeなどで「自転車 チェーン交換 外装6段」と検索して動画を見ながらやれば、初めてでも30分で終わる作業だ。
まとめ:工賃をケチって、工具に投資しろ
チェーンは消耗品だ。乗っていれば必ず伸びるし、いつかは切れる。
切れてから自転車を押して帰る地獄を味わうか、それとも事前に伸びをチェックして自分でサクッと交換するか。
どちらを選ぶべきかは明白だ!
自転車屋の工賃に毎回数千円を払うくらいなら、その金でチェーンチェッカーとチェーンカッターを買えてしまう。
工具は一生モノ、一度自分で交換できるようになれば、自転車ライフはもっと快適で、もっと安全で、もっと自由なものになるぞ!
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