自転車で横断歩道を渡る時の「正解」を教えよう!乗ったままは違反?

自転車で横断歩道を渡るシーンのイメージ画像 自転車・スポーツ

「自転車で横断歩道を渡る時、乗ったまま渡っていいのか?それとも降りるべきか?」

自転車歴18年、総走行距離11万キロを超えた俺のもとにも、この手の質問はよく来る。

街中を見渡せば、歩行者の間を縫うように乗ったまま突っ切る奴もいれば、律儀に降りて押している奴もいる。

ルールが複雑すぎて、誰も正解を分かっていないのが現実だ。

結論から言おう。

歩行者がいなければ乗ったまま渡っていい。だが、歩行者がいるなら絶対に降りろ。

これが、法律的にも安全面でも「唯一の正解」だ。

横断歩道はあくまで「歩行者のための道」であり、自転車は軽車両だ。

ここを勘違いしていると、最悪の場合、命を落とすか、取り返しのつかない賠償金を背負うことになる。

今日は、横断歩道に潜む「自転車優先という勘違い」の恐ろしさと、法律を味方につけて自分の身を守る「正しいズル」の技を伝授しよう。

「自転車横断帯」という名の消えゆく罠

横断歩道の横に、自転車マークが描かれた白い点線のレーンを見たことがあるだろう。

あれが「自転車横断帯」だ。

道路交通法第63条の6には、「自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車横断帯によつて道路を横断しなければならない」と明記されている [1]

つまり、横断帯がある交差点では、そこを走らなければ法律違反になるというのが建前だ。

だが、ここで笑えない矛盾がある。

実は警察庁は2011年に「自転車横断帯は原則として撤去する」という通達を出しているのだ。

理由は「自転車に不自然かつ不合理で、危険な横断を強いることとなり得る」からだ。

法律で「通れ」と義務付けておきながら、国自身が「危険だから撤去しろ」と言っている。

車道を走ってきた自転車が、交差点で急に左に曲がって横断帯に入ろうとすれば、左折車に巻き込まれるリスクが跳ね上がる。

そんなことは、少し走れば誰でも分かることだ。

俺の経験から言うと、車道を走っているなら、わざわざ自転車横断帯に入る必要はない

直進レーンをそのまま真っ直ぐ進む方が、巻き込み事故を防げてはるかに安全だ。

警察も「危険な横断帯の通行義務」をわざわざ取り締まるような野暮な真似はしていないのが実情だ。

「自転車は優先される」という勘違いが命を落とす

ここからが本題だ。信号のない横断歩道で、車が止まってくれるのを待っている自転車をよく見かける。

だが、あれは大きな勘違いだ。

道路交通法上、車が横断歩道の手前で一時停止する義務を負うのは、「歩行者」が渡ろうとしている時だけだ。

自転車は軽車両であり、歩行者ではない。

つまり、自転車に乗ったまま横断歩道の端で待っていても、車には止まる義務はないのだ。

「でも、止まってくれる車もいるぞ?」と思うかもしれない。

それは単に、ドライバーが「ぶつかったら面倒だ」と思って親切心で譲ってくれているだけだ。

それを「自転車が優先だから止まって当然」と勘違いして飛び出すのは、文字通り自殺行為に等しい。

俺自身、過去にヒヤリとした経験がある。

見通しの悪い横断歩道で、車が止まってくれるだろうと高を括って飛び出しかけた時、車は全く減速せずに目の前を通り過ぎていった。

もしあの時、あと一歩踏み出していたら、今頃俺はこの世にいなかっただろう。

横断歩道において、自転車は決して弱者ではない。この事実を肝に銘じておけ。

降りれば歩行者!「正しいズル」4つの技

では、自転車はどうすればいいのか?

ここで一つ、覚えておいてほしい大原則がある。

「自転車に乗っていれば軽車両、降りて押せば歩行者」

これは道路交通法上の正確な解釈だ [2]。

乗っている間は車両として車道のルールに縛られるが、降りて押した瞬間に歩行者に変わる。

つまり、歩行者用信号に従って横断歩道を渡る権利が生まれるのだ。

一見ズルに見えるが、法律的には完全に正しい

俺はこれを「正しいズル」と呼んでいる。具体的な4つの技を紹介しよう。

ズル技①:前方赤でも直進できる

車道を直進中、前方の車両用信号がになったとする。

だが、横断歩道の歩行者用信号はだ。

この時、自転車を降りて押せば、歩行者として横断歩道を渡ることができる。

渡り終えた後、車道はまだなので、車が来ない広い空間を安全に走り出せるというボーナス付きだ。

ズル技②:前方赤でも左折できる

同じく前方がで左折したい場合。

自転車を降りて歩道に上がり、歩行者として左折方向の歩道を進む。

そして再び車道へ戻る。これで信号待ちをせずに安全に左折が完了する。

このズルを使って車道に戻る時には、右から流れてくる車に注意が必要だ!

この方向はなので車が流れているからだ。

ズル技③:前方赤でも右折できる(2回渡り)

右折したいが前方がの場合。

まず自転車を降りて、手前の横断歩道を押して右方向へ渡る。

次に、前方の横断歩道の歩行者信号がになったら、押して前方向へ渡る。

これで右折完了だ。

このズルで信号1回分早く右折できるぞ!

これは実質「二段階右折の歩行者版」であり、むしろ法律が推奨する安全な右折方法に近い。

ただし、各横断歩道の歩行者信号がであることが絶対条件だ。

のまま渡れば信号無視になるから注意しろ。

ズル技④:スクランブル交差点で一気に右折できる

スクランブル交差点で前方の車両信号が、歩行者信号が一斉にになった場合。

自転車を降りて押せば、歩行者として斜めに横断歩道を渡り、一発で右折が完了する。

スクランブル交差点限定の最強技だ。

これらの技は時短になるだけでなく、渡り終えた後に車が来ない安全な空間を確保できるという絶大なメリットがある(ズル技②:左折を除く)。

ズルではあるが、自分の身を守る「賢い走り方」だ。

交差点での待ち方、お前は大丈夫か?

横断歩道の手前で信号待ちをする時、お前はどうやって待っている?

ここで無防備な立ち方をしていると、思わぬ事故に巻き込まれるぞ。

まず、タイヤを車道にはみ出して止まるのは絶対にやめろ

右から流れてくる自転車やバイクに引っ掛けられ、激突されるリスクが高い。

次に、ロードバイク乗りにありがちなのが、ビンディングペダルを外さずに電柱や標識に寄りかかって待つ行為だ。

バランスを崩せばそのまま車道側に立ちゴケし、最悪の場合は車に轢かれる。

面倒でも必ずペダルから足を外して地に足をつけろ。

また、縁石に脚を乗せて待つのも危険だ。

バランスを崩して隣の車に傷でもつけたら、目玉が飛び出るような高額な修理代を請求されることになる。

俺が実践している究極の防衛術は、「電柱やポールの背後に身を置く」ことだ。万が一、交差点に突っ込んできた車が歩道に乗り上げてきても、ポールが盾になってくれる。

九死に一生を得るための、ささやかな生存戦略だ。

安全を金で買え!被視認性を爆上げする装備

交差点や横断歩道での事故を防ぐ最大の防御は、「相手に自分の存在を気づかせる」ことだ。特に夜間や薄暗い時間帯は、ドライバーから自転車は驚くほど見えていない。

俺が強く推奨するのは、強力なフロントライトを装備することだ。前方を照らすだけでなく、交差点に進入する際に「俺はここにいるぞ!」と猛烈にアピールするための武器になる。

だが、ここで問題になるのが「前かごの荷物」だ。カゴに荷物を満載すると、ハンドルに取り付けたライトの光が遮られてしまう。これでは何の意味もない。

そこで俺が愛用しているのが、前かご用のライト増設バーだ。

これを使えば、カゴの下部や前方にライトを取り付けることができ、荷物に光を遮られる心配がなくなる。

安価なパーツだが、これで命が守れるなら安いものだろう。

安全は金で買えるのだ。出し惜しみするな。

ちょっとしたコツだが、カゴ底面に装着することをお勧めする。ついついカゴ前面に着けたくなるが、長目のライトは隙間が足りなくてつけられない。底面(最前方)ならどんなサイズのライトでもバッチリだ!

まとめ:「かもしれない運転」で命を守れ

自転車は手軽で便利な乗り物だが、一歩間違えれば凶器にも被害者にもなる。

横断歩道という「歩行者の聖域」においては、常に謙虚であれ。

「車が止まってくれるだろう」
「歩行者は避けてくれるだろう」

そんな甘い考えは今すぐ捨てろ。「車は突っ込んでくるかもしれない」「歩行者は急に飛び出してくるかもしれない」。

常に最悪の事態を想定する「かもしれない運転」こそが、唯一の秘訣だ。

実際の俺は「かもしれない」ではなく、「…に決まってる」で予測しながら走っている。

「あの車には俺が見えてない!」「あのふざけ合ってる小学生は絶対飛び出してくる!」「あのばあさんは絶対によろけてくる!」…こんな感じだ!

ルールを知り、賢く立ち回り、そして絶対に死なない装備を整えろ。

お前の命を守れるのは、お前自身しかいないのだから。


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参考文献

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